NEWS・Blog ニュース・ブログ

【離婚と不動産】家を売却する場合、「急ぐべき」か「慎重に」か?判断のポイント

【離婚と不動産】家を売却する場合、「急ぐべき」か「慎重に」か?判断のポイント

【離婚と不動産】家を売却する場合、「急ぐべき」か「慎重に」か?判断のポイント

離婚に際して、夫婦の共有財産である家(不動産)をどうするかは、最も大きな問題の一つです。特に売却を選択した場合、「急いで売るべきか、じっくり時間をかけるべきか」で迷う方は少なくありません。

結論から言うと、「急ぐべき」か「急がなくても良い」かは、ご家庭の状況によって大きく異なります。

ここでは、あなたがどちらの道を選ぶべきか判断するために、チェックすべき重要なポイントを解説します。


1. 最優先で確認!「オーバーローン」かどうか

売却を急ぐべきかを判断するうえで、最も重要かつシビアなのが、家を売っても住宅ローンが完済できない「オーバーローン」の状態かどうかです。

状態ローン残高と売却価格の比較最優先で取るべき行動
オーバーローンローン残高が売却価格を
上回る場合
【危険⚠】
即座に専門家へ相談
アンダーローンローン残高が売却価格を
下回る場合
市場価格を見極める

オーバーローンだった場合:「急ぐべき」理由

オーバーローンの状態だと、家を売却しても数百万円単位の借金が残る可能性があります。この借金をどう返済するかは、夫婦間で話し合わなければなりません。

さらに、ローンが残っている家は、基本的に売却に金融機関の許可が必要です。話し合いが長引くと、その間に市場価格がさらに下落し、残債(残りの借金)が増えるリスクがあります。

もし住宅ローンの返済が滞ってしまうと、最悪の場合、「競売(けいばい)」という形で強制的に家が売られてしまうことになります。

オーバーローンの可能性がある場合は、すぐに不動産の専門家(仲介業者)債務整理に強い弁護士に相談し、今後の戦略を立てて「急いで」動き出す必要があります。


2. 離婚が成立する時期と「財産分与」の時効

「急ぐ」ことのメリットは、財産分与のトラブルを避けることにもあります。

財産分与を急ぐメリット

離婚が成立すると、夫婦は財産分与の請求権を持ちますが、この権利は離婚成立日から2年間で消滅します。(除斥期間(じょせききかん))(※2026年5月施行の改正民法により、5年に延長予定)

売却を急ぐ(離婚前に完了させる):

  • 売却益(現金)をすぐに財産分与できるため、後々のトラブルを防げます。
  • お互いが次の生活へ早く区切りをつけられます。

売却を先延ばしにする:

  • 離婚後に「元配偶者」と、家の売却価格や手続きについてやり取りを続ける必要があり、精神的な負担が大きくなります。
  • 売却までどちらかが住み続ける場合、その間の住宅ローンや固定資産税を誰が負担するか、といった新たな問題が発生しやすいです。

特に元配偶者との連絡を一切絶ちたい場合は、「離婚成立前に売却と財産分与を完了させる」ことを急いだ方が良いでしょう。


3. 売却を「急がなくても良い」ケースとは?

アンダーローン(売却益でローン完済できる)であることに加え、以下のいずれかの状況であれば、売却を急がず「より高く売れる時期」を待つ選択肢も出てきます。

(1) 互いに合意している場合

元配偶者との間で、「今は市場価格が低いから、半年後に売却活動を始めよう」など、売却時期や条件について完全に合意できている場合は、急ぐ必要はありません。焦らず、希望価格で売れるように準備を整えましょう。

(2) 市場価格が上昇傾向にある場合

その地域の不動産市場が上昇傾向にある、または再開発などの要因で今後価格が上がることが見込まれる場合は、半年〜1年程度待つことで、手取り額を増やすことができる可能性があります。

(3) 「住み替え」のスケジュールに余裕がある場合

子どもがいる場合など、次の住居への引っ越しや転校の時期がまだ先で、売却を焦る必要がない場合も、急がない方が有利な条件で買主を見つけやすくなります。


【結論】まずは状況を「正確に把握」することから

離婚時の家の売却では、「感情」よりも「冷静な経済判断」が優先されます。

急ぐべきケース(オーバーローン、連絡を断ちたいなど)であれば、いますぐ行動を開始し、専門家(弁護士や不動産業者)の力を借りてください。

急がなくても良いケースであれば、家の査定を業者に依頼し、相場を把握したうえで、最も有利な売却戦略を練りましょう。

どちらのケースでも、最初の一歩は「現在の家の価値」と「ローン残高」を正確に把握することです。それが、あなたにとって最善の道を選ぶための、最も重要な判断材料となります。

弊社では、心理的負担の大きい離婚に伴う不動産問題も、お互いが気持ちよく次のステップに進めるベストな方法をご提案いたします。ハードルの高い存在と思われがちな弁護士・税理士・司法書士・行政書士・測量士・土地家屋調査士などの専門家とも連携し、お客様の抱える問題やお悩みに合わせて最適な解決策をご提案いたします。

まずは一度、お問い合わせください。

離婚時の財産分与で、悔しい思いをしないよう、綿密に計算していきましょう。

弊社は【離婚不動産コンサルティング】というサービスを行っております。
離婚した後、良いスタートが切れるよう、ベストな対応方法をご提案致します。
一人で悩まずに、まずはご相談ください。

弊社は東京都新宿区の四谷三丁目駅から徒歩3分の場所にございますが、ご自宅や、お仕事場、近くの喫茶店等でもお打ち合わせ可能です。

下記のお問い合わせフォーム・電話、LINEでも結構ですので、お問い合わせ下さい。

ー 不動産エージェント株式会社 代表取締役 南雲美穂

CONTACT
お問い合わせ

【相続・離婚】不動産相談についての
ご意見やご要望などは
以下のフォームからお気軽に
お問い合わせくださいませ。